きみがいた帰り道

「なんかさ、あのとき図書館で話して、ちょっと不思議だった」


「…なにが?」


「……初めて会ったのに、なんとなく話せる感じっていうか」


「……あー、俺もそれ思った」


「へぇ〜?」


由希が、じっとこっちを見ながらにやにやしている。


「それって、“運命の出会い”ってやつじゃないの?」


「ないないない!」


「え、ちょ、やめて……」


ふたりして慌てる姿に、由希はニヤッと笑った。


「ま、いいんじゃない? 気が合うってことだよ、たぶん」