きみがいた帰り道

そんな感じで席に向かい、気づけば花奈の向かいに座っていた。

 

「名内くんって、大学どこから通ってるの?」


「千葉。……電車、一本だけど、混む」


「わかる。うちも結構乗るんだけど、花奈はギリ座れる駅なんだよね〜」


「それ、ずるくない?」


「毎朝の運よ、運」


花奈がちょっと苦笑いしながら頷く。


やっぱり、あの時と同じで、話すと柔らかい空気になる。