セフ彼柊くんと本気の恋

「いや、優しいよ亜衣子さんは。だって普通雨に打たれてても誰も声なんてかけないんだよ?」
だって現にあそこにいても別に誰にも声なんて掛けられなかったし
そう言って柊君は苦笑した

それは私が柊君に見惚れてたから
なんて言えるわけがない
「私困っている人とか放って置けない性分だからかな?」
私は誤魔化すように視線を逸らして言ってみた
まさか9コも年下の男の子に一目惚れしてここまで連れて来てしまったとは言えない

「そっか。亜衣子さんはお人好しなんだね」
柊君が納得するように言ったから、「どうかな?」と私は誤魔化して言ってみた

「それで、この後僕にどうしてほしい?」
えっ?不意に言われて私は戸惑ってしまう

「拾ってくれたお礼に亜衣子さんの望むことをしてあげる」
望むことって?
まだ20歳のこの子に私は何を望むんだろう?