というわけで、その日の午後、エリアス様と私は王宮へ出掛けることになりました。
ですが国王様にいったい何のご用事なのでしょう。
わざわざ王宮へ赴かなければならないほどに差し迫ったご用なのでしょうか。
国王様とエリアス様がお話しなさる時はたいてい国王様がこの離宮を訪れます。
王宮には王妃様がいらっしゃいますからね。
何かの拍子にエリアス様の正体が知られてしまっては大変と、お付きの私は気が気ではありません。
結局ご用事が何なのかわからないまま、王宮へと到着いたしました。
「ご機嫌よう、皆様」
キラキラキラ、と完璧なお姫様笑顔で輝くエリアス様――いえ、オリーヴィア様。
王宮で王族に仕える貴族の方々に挨拶をしながら国王様のお部屋へと向かうのですが、誰もがオリーヴィア様の美しさにほおっと見惚れていらっしゃいます。
いかがですか皆様!今日のオリーヴィア様は天使のようでございましょう?
明るい黄色が華やかな流行りのドレス。
白い胸元を飾るのは大粒のダイヤモンド。
白い花を模した可愛らしい髪飾りは金色の御髪によくお似合いで、オリーヴィア様がにこりと微笑めば天使の翼が見えるようです。


