オリーヴィア様は薔薇が好き。



オリーヴィア様の笑顔の圧がスゴいです。
これは、頑固なオリーヴィア様の絶対命令。

「……は、はい。かしこまりました……」

スゴスゴと、客間から退きます。

パタン。
客間の扉が閉まってしまいました。
廊下に一人、ポツンといる私。

……追い出されてしまいました。


追い出されてしまいましたー!!

 
え、どうしてですか!?私、何かやらかしました!?
こんなこと初めてなのですが!?

いつも国王様が離宮へいらっしゃる時は、国王様と一緒にお茶をいただきながらオリーヴィア様の近況報告をしてキャッキャウフフなひと時となるのですが!

エリアス様、いえ、オリーヴィア様の普段のご様子を国王様にお話しするのは私の使命のようなもので、とても楽しみなことでもあるのです!
その時間を奪うなんてあんまりですエリアス様ぁ!!


ぐすん。閉め出された忠犬の気持ちがわかってしまったロザーリエです。
扉の外で待っています。

エリアス様、私に内緒で国王様とどのようなお話をなさっているのでしょうか。
むむむ。わかりません。そしてとても暇なのです。
こういう時は何か別のことを考えて待っていましょう。

そう、例えば……レイノルド様とのオペラへは何を着ていこうかしら?
ふむ。いつも困ることなのですが、私は自分のオシャレとなるとどうしたらいいのかわからなくなります。

エリアス様をオリーヴィア様として着飾らせるのはとてもとっても楽しくて色々と妄想がとまらないのですが、自分のことは……はい。
あまり興味がないというか、どうでもいいというか。

つまりは、オリーヴィア様さえお綺麗でいらっしゃるなら私は幸せなのです!オリーヴィア様万歳!


……殿方、ですけどね。いつか女装をおやめになる日が訪れるかもしれませんが、それまでは。