ミミがルミナリア王国からもどった朝。
空は青くて、鳥のさえずりがきこえます。

まるで夢みたいなできごとだったけど、
ミミの手には、まほうのバレエシューズのリボンがそっと残っていました。

「これがあれば、いつでもあのキラキラした世界を思い出せる」

ミミはにっこりわらいました。

数日後、町の小さなバレエ教室で、発表会がはじまりました。

ミミは、今回も主役ではありませんでした。
でも、もうちょっとちがいます。ミミの心はあたたかくて、どんな役でも大好きなバレエを踊れる気持ちでいっぱいです。

「がんばろう!」

舞台に上がると、ミミの動きは光のようにやさしくて、自由で、きらきらしていました。

客席の家族や友だちは、にこにこ笑っています。

「ミミのバレエ、大好き!」

あたたかい声が聞こえて、ミミの胸はいっぱいになりました。

終わったあと、ミミはそっとリボンを見つめました。

ふと、空からふんわりと優しい声がきこえました。

「キラキラは、きみの心にあるのよ――」

ミミは深呼吸して、ゆっくり目を閉じました。

まほうの国のフロラの言葉が、心にしみてきます。

「夢はいつも、きみのなかにある。
あきらめないで、だいじに育ててね」

ミミはニコッと笑って、未来へむけてまた一歩を踏み出しました。

これからの毎日が、もっとキラキラに輝くことを信じて。