ミミは10さい。小さな町のバレエ教室にかよっている女の子です。ミミのゆめは、みんなのまえでバレリーナの主役をおどること。でも、この前のはっぴょうかいでは、主役になれませんでした。

「どうしてわたし、主役じゃないんだろう……」

がっかりしてかえりみち、公園にすわって、ミミはそっとバレエの練習をはじめました。

ひとりで、くるくるとまわったり、つまさきでそっとたったり。夜の空には、たくさんの星がキラキラひかっています。

そのとき、空からふわりと、まぶしい光がひとつ、ミミの目のまえにおちてきました。

「わあ……きれい!」

光はちいさな妖精(ようせい)になって、ミミのてのひらにとまりました。

「こんにちは、ミミさん。わたしはフロラ。魔法の国ルミナリアからきたの」

フロラはニコッとわらっていいました。

「ミミさん、きみのゆめはなに?」

ミミははずかしそうにこたえました。

「わたし……バレリーナの主役になりたいの。でもまだまだへたで……」

フロラはふしぎそうに目をかがやかせました。

「じゃあ、ほんとうにゆめをかなえたい?」

ミミはかたくうなずきました。

「はい!」

「それなら、わたしの国にきてみる?」

フロラがそういうと、キラキラしたちいさなほしがふたたび空にまいあがり、ミミのまわりをとびはじめました。

「ここでクイズだよ!」

フロラがふせんをひらひらとまわしながら、問いかけます。

●クイズ・謎解き要素(読者参加型)
フロラが出す謎:

「あるけど見えない、心の中で光る宝石ってなーんだ?」
→(答え:ゆめ)

「あるけどみえない、こころのなかでひかるほうせきってなーんだ?」

ミミはかんがえました。こたえはなんだろう?

「うーん……」

よくきいてみると、そのほうせきは「ゆめ」だとわかりました。

「せいかい! ゆめだよ!」

フロラはうれしそうにいいました。

「ゆめをもつことは、とってもたいせつ。ゆめをあきらめないこにしか見えない、まほうのバレエシューズをあげる」

そういって、ミミのあしもとに、キラキラひかるシューズがあらわれました。

ミミはそれをそっとはくと、ふしぎなやさしいかぜがふいてきて、ふたりはそらへとふわりとまいあがりました。

「これから、きみのゆめのせかいのはじまりだよ」

フロラがそういって、ミミのとなりでにっこりしました。

そして、ふたりはまほうのくに「ルミナリア」へとむかって、キラキラのそらをとびはじめました。