「なぁなぁなぁ」
「何?」
「ラーメン食って帰ろ」
「おまえのおごりでな」
ふたりの青年がホテルの従業員口から出てきた。正反対の外見をしているようで、ときどき動きがシンクロしている。髪に手をやる角度、傘のさし方、歩き方。
「生ビールも飲もう」
「おまえのおごりでな」
「なー、生ビール代くらい出せよー」
「んー、じゃあ、
デザート代出す」
「やったぁ、ハーゲン!!」
「……」
「……ガリ*リ君」
「なぁ」
「ん?」
「家帰って作って食おうぜ。ラーメン」
夜の雨が夏の気配を含んでいた。じわっと蒸す。アスファルトの、車の、人間のにおいを含んでいた。
「なぁなぁ」
「ん?」
「店で1杯飲んでこうぜ」
「何?」
「ラーメン食って帰ろ」
「おまえのおごりでな」
ふたりの青年がホテルの従業員口から出てきた。正反対の外見をしているようで、ときどき動きがシンクロしている。髪に手をやる角度、傘のさし方、歩き方。
「生ビールも飲もう」
「おまえのおごりでな」
「なー、生ビール代くらい出せよー」
「んー、じゃあ、
デザート代出す」
「やったぁ、ハーゲン!!」
「……」
「……ガリ*リ君」
「なぁ」
「ん?」
「家帰って作って食おうぜ。ラーメン」
夜の雨が夏の気配を含んでいた。じわっと蒸す。アスファルトの、車の、人間のにおいを含んでいた。
「なぁなぁ」
「ん?」
「店で1杯飲んでこうぜ」



