放課後、2メートルの秘密。

黒板に向かって文字を書く、その背中。

決して背が高いとは言えないけれど、

どこか安心する、がっしりとした肩。

白いチョークを握る、大人の手が、

静かに動いて、音もなく言葉を紡いでいく。

きっと、誰かにとっては、

何でもない、いつもの授業風景。

でも私には、

そのひとつひとつが、

まるで特別な光の粒みたいに見えていた。



「好きです」――この気持ちを、もし伝えたら。

先生にとって私は、

“生徒以上”の存在になれるでしょうか。