「けい、やく…?」
「その指輪に関する契約だ。結論から言うが、その指輪は1度はめたらお前が死ぬまで絶対に外れない。」
「…え、?ちょっ、ちょっとまって」
「その指輪は精気を奪い、魔力に変換する。まぁ、人間は持って1年ってところだな。だからお前は1年後にはこの世に居ない」
淡々と並べられる言葉にただ唖然とすることしか出来ない。意味がわからない。この指輪は私のだし、死ぬまで外れないなんて、1年後には死んでるなんて、到底理解できるはずがない。
「さっきから何を言ってるんですか…?魔力とか精気とか…。ていうか!人間なら死ぬって、あなたも人間でしょ…!?」
必死に言い返すと彼は私をバカにしたように鼻で笑った。その態度に私はぎゅっと握りしめた手に力を込めた。
「それに!この指輪は両親の形見でそんな変なものじゃない…!」
重い体を何とか起こし、キツく睨みつけながらそう言葉を返す。気味の悪い発言に惑わされてはならない。
「ハッ、よく見てみろ。本当にそれはお前のものか?」
「私のです、これはわたしの、きゃ……?!」
突然、強引に左腕を掴まれたかと思うと、見せつけるように私の指輪をはめた手を目の前まで持ち上げた。
「よく見ろと言っているだろ。これは俺の指輪だ。」



