〇ホストクラブ・入口・夜
ト書き:
キラキラと輝くネオン、赤いカーペットのような廊下。
場違いにも思えるほど、緊張した顔で小春が立っている。
小春(モノローグ)
(……やっぱ、間違ってたかな……)
(でも……あの人が、“最後の夜をきみに”って言ってくれたから――)
店のドアが開く。
スタッフが、笑顔で小春を迎える。
スタッフ「レンのお客様ですね。――本日、“No.1指名のラストゲスト”です」
〇ホストクラブ・ステージホール
ト書き:
一歩足を踏み入れると、そこは異空間のような華やかさ。
照明が落ち、スポットライトがステージに当たる。
司会ホスト「――Ladies and Gentlemen! 本日、No.1ホストの称号を勝ち取った男に、ご指名を頂いた“お姫様”を、いま迎えます!」
ト書き:
ざわめきの中、ステージ奥から現れたのは――
黒のスーツに身を包み、微笑をたたえたレン。
蓮(レン)「……お待たせしました。今夜は――“きみだけのレン”になります」
ト書き:
一歩一歩、照明の中を歩きながら、まっすぐ小春に手を差し出す。
蓮(レン)「小春。来てくれて、ありがとう」
小春(モノローグ)
(ああ……やっぱり、好きだ)
〇個室・レンのVIP席
ト書き:
シャンパンが静かに注がれ、ふたりだけの時間が流れる。
蓮(レン)「今日でNo.1になって、一区切りだ。――でも、俺はやめないことにした」
小春「……!」
蓮(レン)「俺はまだ、この場所でやることがある。“夢を叶える場所”にする。ここも――自分の舞台だから」
ト書き:
小春が小さくうなずく。
小春「……がんばってください。でも、がんばりすぎないで」
蓮(レン)「ふふ……言われてみたかった言葉だな、それ」
ト書き:
ふと視線を落とし、何かを取り出す蓮。
小さな紙袋。
蓮(レン)「これは、“お姫様”へのお礼。――俺の物語の、最初の読者に」
小春「えっ……」
中には、手書きの短編小説の原稿と、小さなしおり。
“タイトル:彼女は、背負い投げで恋をした。”
〇夜の出口・店の前
ト書き:
帰り際、夜風に吹かれるふたり。
蓮「次に会う時は、ステージじゃなくて――君の隣で、話がしたい」
小春「……その時まで、わたしも書きつづけます」
蓮「……“恋”も?」
小春「うん。――だって、まだ終わってないから」
TO BE CONTINUED…
ト書き:
キラキラと輝くネオン、赤いカーペットのような廊下。
場違いにも思えるほど、緊張した顔で小春が立っている。
小春(モノローグ)
(……やっぱ、間違ってたかな……)
(でも……あの人が、“最後の夜をきみに”って言ってくれたから――)
店のドアが開く。
スタッフが、笑顔で小春を迎える。
スタッフ「レンのお客様ですね。――本日、“No.1指名のラストゲスト”です」
〇ホストクラブ・ステージホール
ト書き:
一歩足を踏み入れると、そこは異空間のような華やかさ。
照明が落ち、スポットライトがステージに当たる。
司会ホスト「――Ladies and Gentlemen! 本日、No.1ホストの称号を勝ち取った男に、ご指名を頂いた“お姫様”を、いま迎えます!」
ト書き:
ざわめきの中、ステージ奥から現れたのは――
黒のスーツに身を包み、微笑をたたえたレン。
蓮(レン)「……お待たせしました。今夜は――“きみだけのレン”になります」
ト書き:
一歩一歩、照明の中を歩きながら、まっすぐ小春に手を差し出す。
蓮(レン)「小春。来てくれて、ありがとう」
小春(モノローグ)
(ああ……やっぱり、好きだ)
〇個室・レンのVIP席
ト書き:
シャンパンが静かに注がれ、ふたりだけの時間が流れる。
蓮(レン)「今日でNo.1になって、一区切りだ。――でも、俺はやめないことにした」
小春「……!」
蓮(レン)「俺はまだ、この場所でやることがある。“夢を叶える場所”にする。ここも――自分の舞台だから」
ト書き:
小春が小さくうなずく。
小春「……がんばってください。でも、がんばりすぎないで」
蓮(レン)「ふふ……言われてみたかった言葉だな、それ」
ト書き:
ふと視線を落とし、何かを取り出す蓮。
小さな紙袋。
蓮(レン)「これは、“お姫様”へのお礼。――俺の物語の、最初の読者に」
小春「えっ……」
中には、手書きの短編小説の原稿と、小さなしおり。
“タイトル:彼女は、背負い投げで恋をした。”
〇夜の出口・店の前
ト書き:
帰り際、夜風に吹かれるふたり。
蓮「次に会う時は、ステージじゃなくて――君の隣で、話がしたい」
小春「……その時まで、わたしも書きつづけます」
蓮「……“恋”も?」
小春「うん。――だって、まだ終わってないから」
TO BE CONTINUED…
