バーテンダーズ - Dance with Cocktails -

「何て言うのか、正反対のおふたりですね」
俺がそう言うと、エルさんがまた、おや、と言わんばかりに、
右まゆを上げる。
「似ているところもありますし、正反対の部分もありますね」

そこへ、生ビールを入れたシャンパングラスを持ったアールさんがルンルンで帰ってきた。そして、
椅子をエルさんのとなりに持ってきて、ちょこんと座る。
(おもしろいふたりだなぁ)

「今度、正式に取材を依頼しても良いですか」
俺がそう聞くと、ふたりがそろってきょとん、と言う顔になる。
こうして見ると、ふたりは、よく似ているように見えた。

「あ、俺、漫画家なんです」
「なるほど。
取材のご依頼はお電話かメールで受けつけております。
いつでもどうぞ」
エルさんがそう言ってニコッと笑う。たおやかな笑顔だった。