銀盆をカウンターの下にしまったエルさんが、
代わりに細い脚のついた透明な細いグラスと、オレンジジュースの入った小さなビンを取り出し、
それをカウンターの上に置いて、後ろの棚からお酒のビンを1本選びだす。
細い銀色のバースプーンと、メジャーカップも用意し、
そのカップを左手の人差し指と中指で挟む。
(きれいだ)
お酒のビンはシャンパンだった。コルクを開けた瞬間、シュパッ! と言うさわやかな音がした。
メジャーカップでシャンパンの量を計り、グラスに入れ、
オレンジジュースも計って、同じくグラスに入れる。
それだけの動きなのに、まったく無駄がない。流れるような動き。
まるでダンスでも見ているようだ。
幻惑されるとはこのことだろうか。グラスにバースプーンを入れてくるり、と1度まわし、
スプーンの背をグラスの内側につけ、するりと抜き取る音のない動きに、
エロティックささえ感じてしまう。
(何てうつくしい指と手の動き)
俺が、ぽかん、と口を開け、その指の動きに見入っていると、
「ミモザでございます」
目の前にそのグラスが音もなく置かれた。
代わりに細い脚のついた透明な細いグラスと、オレンジジュースの入った小さなビンを取り出し、
それをカウンターの上に置いて、後ろの棚からお酒のビンを1本選びだす。
細い銀色のバースプーンと、メジャーカップも用意し、
そのカップを左手の人差し指と中指で挟む。
(きれいだ)
お酒のビンはシャンパンだった。コルクを開けた瞬間、シュパッ! と言うさわやかな音がした。
メジャーカップでシャンパンの量を計り、グラスに入れ、
オレンジジュースも計って、同じくグラスに入れる。
それだけの動きなのに、まったく無駄がない。流れるような動き。
まるでダンスでも見ているようだ。
幻惑されるとはこのことだろうか。グラスにバースプーンを入れてくるり、と1度まわし、
スプーンの背をグラスの内側につけ、するりと抜き取る音のない動きに、
エロティックささえ感じてしまう。
(何てうつくしい指と手の動き)
俺が、ぽかん、と口を開け、その指の動きに見入っていると、
「ミモザでございます」
目の前にそのグラスが音もなく置かれた。



