何とうつくしい指なのだろう。
そう、思った。
「『谷崎さん、
今夜、俺のおすすめのバーへ行ってみない?』」
日本全国や海外のパンやスイーツを食べ歩いて記事を書いているライターの松本さんにそう誘われたのは、
秋も深まって、シトシト雨の降る、肌寒い夕方のことだった。
「バー?
パンとかスイーツのお話ではなくて、バーですか?」
松本さんから電話がかかってきた時、
俺は自宅アパートの6畳の仕事場で、
Webで連載しているエッセイ漫画の最新話を描き終え、
担当編集者にメールで送信したばかりだった。
「バーなんて、俺には敷居が高いですよ。
おしゃれして行かなくてだいじょうぶなんですか?」
「『だいじょうぶ、だいじょうぶ!
そこ、とってもカジュアルな雰囲気だし、
パンもスイーツもおいしいから!』」
「バーの話しですよね?」
バーになんて行ったことがないが、
松本さんに連れていってもらうお店は、
どこもおもしろくて食べ物がおいしいところなので、
俺は、今回も、トコトコ彼についていくことにした。
そう、思った。
「『谷崎さん、
今夜、俺のおすすめのバーへ行ってみない?』」
日本全国や海外のパンやスイーツを食べ歩いて記事を書いているライターの松本さんにそう誘われたのは、
秋も深まって、シトシト雨の降る、肌寒い夕方のことだった。
「バー?
パンとかスイーツのお話ではなくて、バーですか?」
松本さんから電話がかかってきた時、
俺は自宅アパートの6畳の仕事場で、
Webで連載しているエッセイ漫画の最新話を描き終え、
担当編集者にメールで送信したばかりだった。
「バーなんて、俺には敷居が高いですよ。
おしゃれして行かなくてだいじょうぶなんですか?」
「『だいじょうぶ、だいじょうぶ!
そこ、とってもカジュアルな雰囲気だし、
パンもスイーツもおいしいから!』」
「バーの話しですよね?」
バーになんて行ったことがないが、
松本さんに連れていってもらうお店は、
どこもおもしろくて食べ物がおいしいところなので、
俺は、今回も、トコトコ彼についていくことにした。