電車に乗って数分後。
会社の最寄り駅へと着けば席を立ち上がりながら欠伸を咬み殺す。後ろから着いてくる大きな影は見ないことにしながらコンビニへと足を運ぶといつもの様にカフェラテを頼み後にする。その間も後ろの影は付き纏う。
『なァ、オマエ……何時まで着いてくんねん』
「えー?会社一緒やねんから仕方ないやろ」
『…つか、わざわざコンビニで同じモン買う必要ないやろ。キッッショ』
「そんな風に突き放されるんが好きって知ってるくせにワザとやろ」
『はァ…』
ホンマ、どないかしてくれこの勘違い野郎。
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『おはようさん』
「あ!蒼ちゃん。おはよう!」
この子は凛ちゃん。俺の勤める会社の同僚。
割と何でも話す仲で茜莉の事も知ってる。というか何故か俺らを引っつけようとしているらしい(※噂やけど)
「今日もせんちゃんと一緒に来たん?」
『……アイツが勝手に着いてきただけ。俺は一緒に来たつもりない』
「ふーん。私はいいと思うけどな~」
この子は、ここだけ除いたらホンマにいい子。何でも話聞いてくれるし一緒に馬鹿も出来る。俺の周りに寄ってくる女は、能無しのヤることしか眼中にない女ばっかやったから。凛ちゃんはホンマに貴重な子やなって思ってる。
「なぁなぁ。駅前に出来た喫茶店、せんちゃんと一緒に行かへんの?」
─────ウン。せやから、なんで俺がアイツと一緒に行かなアカンねん!
