今日は、調子が悪い。
薬の副作用で、体がだるい。
でも、私には残された時間が少ないから一分1秒無駄に出来ない。
重い体を起こして机に置いたノートとにらめっこ。
私は、どんな16年間を生きてきたのだろうか。
すごくすごく気になる。
自分のことなのに分からないなんて、、、
むず痒くてしょうがない。
お母さんに聞いたことも光輝とほとんど一緒だった。
スイカといちごが好きで、東京生まれの東京育ち。
それ以外はなんともない平凡な子だったって。
お母さん、ざっくりし過ぎじゃない?
まぁ、そんなことを思いながらベッドのうえに寝ていた。
ちょっと、どこか行こうかな。
体はだるいけど外にはなるべく出たいから。
病院のリハビリ公園を歩いていた。
もう桜は、散りかけている。
もう桜も終わりか、、、
人生最後の桜。
もうちょっと見たかったな、、、
そんなことを思いながら歩いてると、知らない人からいきなり声をかけられた。
「夏美ちゃん?夏美ちゃんよね?久しぶり!良かった、、、無事だったんだね」
そう言って私を抱きしめてきた。
誰だろう、この人。
私を知ってる人?
私を抱きしめながら泣いている。
