まず、お母さんと光輝に聞いてみよう。
そのほうが手っ取り早い。
ノートに早速、計画を立てた。
・2人に私の過去を聞く
聞いたことをノートに書いてこう。
日が落ちかけてきた頃に光輝が来てくれた。
「よ!調子どう?」
明らかに目が腫れている。
泣いたんだな。
すぐわかった。
でも、私は普段どうりに接することにした。
いつも私に接してくれてるように。
「光輝、私ね、やりたいこと見つかったよ」
そう言うと顔をあげて私の目を見た。
「なに?夏美のやりたいことって?」
「私さ、16年間の記憶ないでしょ?この記憶を取り戻す。それが今の私のやりたいこと」
そう光輝に言った。
光輝は、びっくりした表情で私をみてきた。
「何を言うかと思ったら、今さら何を言ってるの?もっとやりたいことあるでしょ?
どこでも、連れてってあげるよ?車持ってるから。行きたいところあるでしょ?
食べたいものあるでしょ?」
光輝は、まくしたてるように言った。
「うん、でも今の私は何かを食べるより、何かを行ってみて見るより自分の過去を知りたいの。
私はどこで生まれて何をして生きてきたのか、何が好きだったのか。
結局思い出せないままだし。
それを私は知りたい」
光輝は、少し戸惑いつつも了承してくれた。
