たまらなく可笑しくて、わたしはケタケタと笑った。

隼はムッとした面持ちで、でも、駅前の人混みから然り気無くわたしをかばいながら歩いてくれた。

本の少し、わたしの辛さが和らいでいた。

さすが、クリスマスイヴだ。

何処のレストランもひどく混んでいて、満席だった。

「ここも混んでるわね。次、行こうか」

「うん。ところで、真央さんは何歳なの」

隼が訊き、わたしは立ち止まり、膨れっ面をしながら隼を見上げた。

「睨み付けないでよ。美人が台無しだよ」

「年上の女性に年齢を訊くのは失礼よ」

ぶっきらぼうに言うと、隼は困り果てた顔をして、

「ごめん」

と謝りながら笑った。

「……もう二十五歳よ、おばさんでしょ。隼は高校生だものね、羨ましいわ」

高校生に戻りたいとわたしは想いを馳せた。

二十代といえども、四捨五入をするとわたしは三十歳組なのだ。

高校生の隼が羨ましく思えて軽く落ち込むわたしを、隼は悪びれることなく笑い飛ばした。

「おばさんじゃないよ。まだまだ若いじゃないか。ぼくは高校三年で十七歳だよ」

「やっぱり!わたし、そう思っていたの。十七歳くらいかなって」

そんな会話をしながら入ったところは、小さな喫茶店だった。