――自己紹介のときの星菜ちゃん、
今にも泣きそうな顔してたけど、
ちゃんと、自分の言葉で話してた。

私、ああいうの弱いんだよね。

声、震えててもいいじゃん。
言葉が詰まっても、いいじゃん。

それでも一歩、前に出ようとしてた。

「かわいい名前だな」って、心から思った。

だから、声をかけたんだ。

星の“ほし”に、菜の花の“な”。

その名前を、私はきっと何度も呼ぶことになる。

まだ知らないけど。
この出会いが、始まりだったってことを。