「でも……私の歌が、誰かに届くのかな」

小さな声で、星菜ちゃんがつぶやいた。

私はすぐに答えた。

「私は、届いたよ」

星菜ちゃんの顔が、はっとしてこっちを見る。

「あの歌詞、すごく響いた。だから……きっと、他の人にも届く」

言葉を選びながら、そっと手を差し出す。

星菜ちゃんがその手を取った瞬間——

ほんの少しだけ、手が震えてた。

でも、その手は離れなかった。