放課後の音楽室に、ふたりの声だけが響いていた。

「文化祭、今年は音楽ステージあるらしいよ」

玲那ちゃんがそう言って、音楽の先生に声をかけてくれた。

「……出てみたらどう? 歌、完成したんでしょ?」

星菜ちゃんは一瞬、息をのんだように見えた。

私だって、すごく緊張してる。

でも——

「……星菜ちゃん、歌いたいって言ったの、星菜ちゃんだよね?」

その言葉に、星菜ちゃんが小さくうなずいた。