次の日、私はそのメロディを星菜ちゃんに聴かせた。

「ちょっと、これ……聴いてみて」

放課後の音楽室。
まだ誰もいない静かな空間に、ピアノの音が広がる。

星菜ちゃんは、私の横でそっとノートを見つめてた。

メロディが、彼女の書いた言葉と重なる。

最初の一音。

そして、サビへと続く旋律。

そのとき、星菜ちゃんの目がふわっと潤んだ気がした。

「……すごい、ね。ちゃんと、歌になってる……」

私は笑って頷いた。

この歌は、ふたりの夢そのものだった。