「大丈夫。“ふたり”だからさ」

玲那ちゃんが言った。

その言葉が、

昨日の屋上での、ふたりの歌声を思い出させた。

こわくても、声が詰まりそうでも——
玲那ちゃんがそばにいてくれたから、私は歌えた。

「……やってみようか」

小さくつぶやいた私に、
玲那ちゃんはパッと笑って、手を差し出してくれた。

指先が触れたその瞬間、
なにかが、きらっと弾けた気がした。

ここから、きっと物語が動き出す。

ふたりで踏み出す——

最初のステージへ。