「歌ってくれて、ありがとう」

私の声は、きっと小さすぎたけど、
玲那ちゃんはちゃんと、聞き取ってくれたみたいで——

「ううん、こっちこそありがとう。
 一緒に歌えて、うれしかったよ」

ふたりで並んで歩くのに、
ずっと続いてる沈黙が、心地よかった。

「……またどこかで、一緒に歌えたらいいな」

私の言葉に、玲那ちゃんはパッと笑った。

「うん、絶対!」

太陽みたいにまっすぐな笑顔。
私は、胸がくすぐったくなった。