昨日、屋上で聞いたあの歌が、ずっと頭から離れない。

柔らかくて、でもすごく芯があって。
風みたいに届いてきた声。

あれが星菜ちゃんの歌声だなんて、
いまだにちょっと信じられないくらいだった。

今日も教室で星菜ちゃんの席を何度か見たけど、
彼女は特に話しかけてこない。

もちろん、それはいつものことなんだけど――

なんか、ちょっと寂しかった。