隠れ美少女とクール系男子

 ──夢を見た。

 まだ幼く、人間不信になり始めた頃の日。わたしは"あること"がきっかけで笑顔が日に日になくなっていた。

 ある日、リビングで優しい笑みを浮かべる自身の母を見上げていたんだ。



愛笑(めい)という名前はね、愛らしく笑ってほしいという意味が込められているのよ。あなたになにがあって元気がなくなっていくのかは聞かないけど…」



 そこで一度言葉を切った母は、わたしと同じ目線になるようかがみ、力強い瞳を持ってこう言ったんだ。



『わたしは、またいつかキラキラした愛笑の笑顔が見たい。愛笑にもそんな日が来るといいわねぇ』

 と、ふわりと微笑んだんだ。

 今のわたしには決してできない顔だ。しばらく笑わないうちに笑い方を忘れてしまった。


 ──誰か、わたしに笑い方を教えて……?