黒のニットにジャケット、パンツと言う極シンプルな装いなのに、夏波ちゃんに宿る美しさは隠しきれておらず、お兄ちゃんと並ぶと存在感の強さに圧倒される。
「嬉しいけど皆何で黒統一なの?」
邦画の、世界滅亡の時に立ち向かえるのはあいつらだ!ってぐらいカッコイイけれど何故に黒なんだ?
夏波ちゃんが「だって、」と笑う。
「襲撃しにいくんでしょう?だったら返り血目立たない方が良いなって」
「しゅ、襲撃?」
「俺は天條に引導を渡すのかと」
「い、引導?」
「俺は哀れな彼奴をしばいた上に踏み付けるつもりや」
「ふ、踏み付け?」
意思が統一されているのかしないのか。
…まあ私も似た様な感じだからいいよね。(思考放棄)
「ちょっと!お願いだから待って!」
「どうしたの木野島君」
ちょおっと待った!と言う声を出したのは、損な役割の多い木野島君で。
「此処に集まってくれたのって獅帥の為じゃないの!?」
その言葉にかつて無い静けさが、場を包んだ。
「…え、俺何か間違った事言った?」
キョロッキョロと周囲を見る木野島君は、他のシンカンから視線を逸らされている。(巻き込まれたくないんだろうなあ)
かく言う問われた渚君達(夏波ちゃん以外)は顔を見合わせて嫌な顔をすると、



