「いつでもアイツの事はどつきまわしてやりたりいわ」
「唐堂先輩今日も可愛いですね。服似合っています」
「俺も思うとったからつづちゃん!俺も思うとったから!」
「あんたら何しに来てんねん」
《《いつもの》》私が見ている景色が広がっている。
「因みにつづの事は俺も可愛いって思うとったさかい」
「ちゅうか凌久!自分がしっかりせえへんからつづちゃんコイツらに虐められとったんやろう!」
「はあ分かってへんわ。つづがあんまりにもカッコ良すぎて惚れ惚れしていただけや」
「何!?つづちゃんカッコ良かったんか!?俺に教えんかい!」
「渚うっさいから絶対に教えへん」
「なんやと!?」
「俺には教えて下さい」
「惣倉はええわぁ」
「差別や!」
「やった」
…なんか肩の力が抜けた。
怒ったり緊張したりしていた私はコッソリ胸を撫で下ろす。
「もう兄さん達、綴ちゃん困ってる」
「え、夏波ちゃん?」
お兄ちゃんの後ろからコッソリ出て来た夏波ちゃんは「やっほー綴ちゃん久々」と現れる。
「夏波ちゃんまで来てくれたの」
夏波ちゃんは私の近くまで寄ってくると、小首を傾げて私を見つめた。
「うん綴ちゃんが困っているから助けに来ちゃった」
そんな可愛らしい仕草の夏波ちゃんは、よく見たら服装がお兄ちゃんとおそろコーデらしく、あまりの素敵さに思わず目を瞬かせてしまった。



