凌久君がはあ…と溜息を吐く。
「《《社会的地位の高い者》》しか入れへん会員制のクラブやろう?分かってるわ。そやさかい呼んでる、五月蝿い協力者を」
「…」
五月蝿い協力者?
凌久君の顔を見上げながら首を傾げていれば、凌久君は私を見下ろして、ニッと笑う。
「しかも2人も」
そう言って凌久君の視線が、廊下の先に行く。
現れた人達は、
「五月蝿いとはなんや五月蝿いとは」
「俺も含まれるんですか?」
「惣倉の事とちがうさかい安心して」
「良かった」
「良かったちゃうわ!」
渚君と惣倉君だった。
ジャケットを傍に抱えた渚君は、
「で、ボンクラは何処だ」
ダークグレーの七部丈のニットシャツに、黒いボトムス、黒いベルトと黒を基調とした服装に身を包んでおり、元々引き締まった身体が更に引き締まっている様に見えて、いつも以上に決まっている。
状況が違ければ、その野生味に溢れたカッコ良さにクラクラしている事だろう。
「ボンクラどうするんでしたっけ?殺るんでしたっけ?」
惣倉君は動きやすさ重視の、黒のパーカーに下が白のラインの入った黒のジャージを着ていて、ちょっと可愛らしいと思ってしまった。(言っている事は物騒だけれど)
「殺ったあかんやろう」
「海祇先輩は殺りたくいなんですか?」



