過つは彼の性、許すは我の心 弐



 凌久君がはあ…と溜息を吐く。


「《《社会的地位の高い者》》しか入れへん会員制のクラブやろう?分かってるわ。そやさかい呼んでる、五月蝿い協力者を」


「…」


 五月蝿い協力者?

 凌久君の顔を見上げながら首を傾げていれば、凌久君は私を見下ろして、ニッと笑う。


「しかも2人も」


 そう言って凌久君の視線が、廊下の先に行く。

 現れた人達は、


「五月蝿いとはなんや五月蝿いとは」

「俺も含まれるんですか?」

「惣倉の事とちがうさかい安心して」

「良かった」
 
「良かったちゃうわ!」


 渚君と惣倉君だった。  

 ジャケットを傍に抱えた渚君は、


「で、ボンクラは何処だ」


 ダークグレーの七部丈のニットシャツに、黒いボトムス、黒いベルトと黒を基調とした服装に身を包んでおり、元々引き締まった身体が更に引き締まっている様に見えて、いつも以上に決まっている。

 状況が違ければ、その野生味に溢れたカッコ良さにクラクラしている事だろう。


「ボンクラどうするんでしたっけ?殺るんでしたっけ?」


 惣倉君は動きやすさ重視の、黒のパーカーに下が白のラインの入った黒のジャージを着ていて、ちょっと可愛らしいと思ってしまった。(言っている事は物騒だけれど)


「殺ったあかんやろう」

「海祇先輩は殺りたくいなんですか?」