「何に怒っているのっ…?図星?図星じゃないって言うならっ…友達だって胸張って言えるならっ…今の状況分かるんでしょう!獅帥君が1番大事にしている人が今危ない状況で獅帥君が居ないって事がどれだけ不味いかって事!」
「アア!?」
好きなだけがなればいい。
けど分かって欲しい。
「獅帥君もしこのまま妃帥ちゃんに何かあったら、後を追うよ!?どうして分かんないのそれが!」
襟首を掴む手をグッと握りながら叫んだ。
「ハ、あ?」
驚いて手を離された私は床に座り込む。
「つづ大丈夫か」
「平気ありがとう」
凌久君に肩を支えられながら、火渡君をキッと睨み上げる。
「そんな訳…」
うろたえる火渡君は、私の言った事が信じられないのと、まさかと言う気持ちが交差して言葉にならない様だった。
そこで、
「何でアンタがそんな事言い切れるんだ!獅帥は母親が狂って実家に戻されて2度と会えないって言われても顔色1つ変えなかったんだぞ!」
「マサ!」
清維に止められる狂犬2号の火ノ宮君。
獅帥君のお母さん達そう言う事になっていたんだ。
なるほど、なるほど…ああ余計に救いなんて無い。
この事実に頭を抱えたくならない彼等が信じられなかった。
「なら尚更だよ」
「はあ?」
鼻血面の火渡君の顔は、取り繕う暇が無い程の憤怒の表情。



