過つは彼の性、許すは我の心 弐



 こう言うのが無い様にもっと、天ヶ衣や天女目とかが介入するべきだと思うんだけれど、天ヶ衣豊起や天女目春日を見るにまともなフォローもなさそうだし。

 遊びたい盛りの子供が使命や何やら言われても反抗したくなるのも分かる。

 けれど、あからさまに面倒だ関わりたく無いってなると流石に不味いから、こうやって獅帥君を探しているのも、私を止めようとしているのも、体裁を取り繕う為のパフォーマンスとその社会的地位の高い人達を怒らせたくない故の行動なのだろう。

 理解できるよ、けどさ、


「自分達は心から望んでシンカンになってないから関係無いって思うのは違うんじゃない?」


 それとこれとは話が別だ。


「獅帥君のシンカン辞めさせてお願いしたと事あるの?」

「…ンなの出来る訳ねェだろう」


 何言っているんだコイツ。

 そんな顔をしているが、いやいや至極まともな事を言っているつもりだ。

 獅帥君の事を私より長い付き合いである皆んなが、気付いていない筈ないのに。

 他のシンカン達の顔を見るが、不快そうな顔をしているものの分かっていなさそうな顔をしていて心から驚いて…呆れた。


「…はあ。あのさあ、」


 気付いてやっているのかと思っていたけれど、案外無意識だったらしい。