「獅帥はな、とある会員制クラブにおるんや」
「クラブ?」
「土師!」
木野島君が焦った様に止めに入るが「今止めた所で余計気になるやろ」と凌久君は嘲笑う。
「しかも社会的地位が高いお方々しか入れへん、ちょいした曰くつきのクラブでな」
「い、曰くつき?」
幽霊が出るとか?
私の返答に「幽霊の方がマシかもな」と凌久君が言うもんだから、そんなに怖い所なの?と勇み足な気持ちが少しだけ萎む。
でも。
「幽霊はちゃうけど…率直に言うてまえば変態クラブ、」「は?」
凌久君の「いやーんつづ怖いわ」と態とらしく怖がる素振りをする。
そんなのいいんだよ、私が聞きたい事は。
「待ってそのクラブって要は…エッチな事するクラブって事?」
「正確に言うたら性的倒錯者の集いって奴?世間様に見せられへん特殊な性癖を満たす楽園…ああ名前は楽園やなかった。名前はーーー」
凌久君は間を置いて、皮肉気に嗤う。
それはここにいない獅帥君へなのか、それとも隠し続けたシンカン達にか。
「ーーーソドム」
「ソドム…」
ソドムってあの聖書の?
「つづ、ソドムがどないなのか知ってはる?」
「んーと…確か神様を怒らせて街を滅ぼされたんだよね」
「…ま、大まかに言うたらな」
少しだけ意味あり気な笑みを口角に添えた。



