でも漸く分かった気がする。
教えない理由も教えない。
部外者は口挟むな。
妃帥の傍で黙って泣いていろ。
そう言ってんだよねコレ。
木野島君や清維ですら否定しない所を見るに(鉄将君は埜々ちゃんの反応が怖くて埜々ちゃんばっかりチラチラしていた)言いたい事をハッキリと言っちゃってたし、私も彼等と積極的に良い関係を築こうとなんてしなかった。
ツケって奴かもしれない。
けれど、裏を返せば手加減しなくてもいいって事だよね。
じゃあ…。
「綴ちゃん…」
埜々ちゃんの心配を他所に、私は行動に移す事にした。
俯きながら「そんな酷い…私だって…獅帥君の心配しているだけなのにっ…!」と覚束無い足取りで2人に近付いた。
「2人とももう攻めてやるなよ」
「そうよ綴は知らないだけなんだから」
フォローにもならない2人の、形だけの擁護をBGMに射程距離まで近づく。そして、数歩分の距離を空けてピタリと止まった。
「言い過ぎたなんて思ってないから謝らないよ」
「こう言う女にはハッキリ言わないと駄目だろ」
「…らなくていいよ」
「は?」
火ノ宮君が聞き返す。
私はさりげなく、足を開いて腰を落とす。
イメトレイメトレイメトレ…。
「だから、」
火ノ宮君が聞き取りやすい様に顔を近付けて来た。
今だーーー。



