埜々ちゃんの言葉にビシリと固まるその場。
何でこんな空気に。
私と圭三郎さんと埜々ちゃんは何でそんな空気になるのか分からず首を傾げる。
「一回切り上げて来たんだよ」
「…妃帥の様子を見に戻ろうかって話になったんだ。大丈夫、俺ら以外の天條の人も探しに行ってくれているから」
火渡君と木野島君が最もらしく言うが何だか嘘臭いと言うか…。
「で、あの、妃帥はどうなんだ?」
鉄将君。
「鉄将君…流石に嘘付いているの分かるよ」
「え!?」
「鉄将君…」
鉄将君は態とらしく話を戻そうとしていて、私と埜々ちゃんがやや不審気に彼等を見ていれば、他の人はアチャーみたいな顔をしている。
おいおいまさか。
疑問が確信に変わった所で鉄将君が発した言葉で、それが決定的となった。
「いいや嘘じゃない!本当に獅帥は見つかってないし!」
「…はあ鉄将君」
「見つかってんのかい」
「そんな事い、言ってない!」
「態度で言っているんだよ!」
埜々ちゃんは自身の許嫁の不甲斐無さに溜息を吐いて、私は病院のなのも忘れて大声で突っ込んでしまった。
「妃帥様は危険な状況ですので、本来なら家族を呼ばないといけない状況なんですが…」
圭三郎さんは困った様に鉄将君に言うが、ウッと言葉を詰まらせる。



