過つは彼の性、許すは我の心 弐



「いえいえ」と微笑む埜々ちゃんは、鉄将君がベタ惚れになるのが分かる素敵な女の子。

 こんな可愛くて、器も大きい埜々ちゃんの傍に居られる鉄将君が羨ましいぐらいだ。(勿論私には妃帥ちゃんがいるけどね!)

 今度鉄将君が話す埜々ちゃん素敵話をニコニコで聞いてやろうという気になった所で、埜々ちゃんが携帯を確認していた。


「清維さんから連絡が」

「本当!?何て書いてある?」


 私が乗り出さんばかりに埜々ちゃんに聞けば「手術は無事に終わったみたいです」と言う言葉に大きく安堵した。

 へたり込む様に椅子に腰掛ける。


「良かった…」

「ただ、」


 埜々ちゃんは少し困りながら、困っている理由を教えてくれた。

 それは予想だにしていない事で、取り敢えず急いで清維達のいる場所に赴く必要があるのは確かで。


「行こう埜々ちゃん」

「はい」


 グイッと冷たくなったコーヒーを流し込んで、清維達がいるICUの前に向かった。


「清維!」

「綴」


 着いたICUの前には清維、火ノ宮君それに…。


「圭三郎さん」

「綴様」


 ヨレヨレの白衣を着た圭三郎さんが私にお辞儀をする。


「圭三郎さんあの妃帥ちゃんは、」

「手術無事に成功しました…ですが、元々患っていた肺炎の方が悪化してしまっていて、其方の治療の事もあって此方に」