獅帥君達と関わる様になって、それによって色んな事を知って、これは仕方ない事だから諦めろって言われている様に思えてしまっていて。
「私も慣れ切ってしまっている側の人間ですが、綴ちゃんの言う様な事は私も思っていました。でも良くないって事が分かっていても、今まで見て見ぬふりをして来て、ここまで来てしまった」
そんな私のこの何日間かのモヤモヤした気持ちを、埜々ちゃんは正しく理解してくれて、言葉に表してくれる。
「誰かが言わなきゃ、行動しなければならない、勇気を持って…きっと綴ちゃんが今ここにいるって事はそう言う局面なんだと思っています」
しかも、私よりも上手に表現してくれる。
「便乗している様に思われても仕方ないかもしれないんですし、私如きが何の力になるかは分からないですが、何があっても私は綴ちゃんの味方です。何の出し惜しみもなく協力させて下さい」
そう言って締め括った埜々ちゃんの顔は、深窓の令嬢と言うよりは、戦う騎士の様に凛々しくて本当に同じ埜々ちゃんなのかと疑いたくなる程。
いや疑うのは埜々ちゃんに失礼だよね。
「うん!埜々ちゃんありがとう!」
だからありがとうって言うのが適切だ。
埜々ちゃんが味方で居てくれる事は普通に有難いしね。



