「護衛役?」
「…ああそうでしたね、綴ちゃんはまだ獅帥様達と出会って日が浅いから、詳しくはご存知ないんですよね」
失礼致しましたと言いながら話を始めた。
「鉄将君のお家である武凱の家が何のお家かは知っていますよね?」
「うん」
確か武術の名門みたいなお家だよねと私が答えれば、埜々ちゃんは頷いた。
「オオミカには必ずシンカンが就きますが、実は就くシンカンの数は決まっていません」
埜々ちゃんは、ですがと続ける。
「数が決まっていない代わりに、オオミカには最低でも1人就けるのが慣わしになっています」
出たな掟としきたり。(私が今1番嫌だと思っているモノだ)
「そして、その最低1人就けるシンカンを選ぶ時に、必ず武凱の中から選ばれるんです」
「それって…ボディーガード的な感じで?」
「そうです」
護衛役ってそのままの意味なのか…の割には鉄将君が獅帥君の傍にいるイメージあんまりないよな。
「学生時は兎に角修行修行で、海外にも飛ぶ事があるんですよ」
「海外に武術を学びに行くの?」
「はい。武凱は武術の最高峰とも言われるだけあって、自国だけでなく、海外の武闘家達との強い繋がりがありますから」
「はあ〜」
はあ〜しか言えない内容だったが、護衛の鉄将君がいつも獅帥君の傍に何でいないかは分かった。



