内心、その答えに落胆した。
「…まだ見つかってないのね」
今回の様に獅帥は発作的に姿を消す事があった。
しかも中々見つからない上に、シンカンですら巻き、漸く帰って来たと思ったら、トラブルを抱えて帰って来るのだ。
それも最悪な形で、だ。
烈の紹介で出会ったと言う相手も、突然姿を消したと思ったらその相手の所にいて、世話になった代わりに本人の願いを聞いた獅帥は、暫く傍に置いたのだ。
それでアレだ。
兎に角、早い所見つかって欲しいんだけれど…。
そんな私の切なる願いとは裏腹に、
「でも、」
深刻そうに口を開くマサに「どうしたのよ」と嫌な予感がしてせっついてしまう。
「豊起といるらしい」
「それは冗談…な訳ないわよね」
マサの嫌がり様に此方まで嫌になる。
よりによって…と私まで頭を抱えたくなった。
ーーー深く付き合わないなら、豊起は別に悪い人間じゃない…と思う。
ただ、豊起は元々悪かったものを、更に悪くする…所謂愉快犯の様な性質があるから尚更タチが悪い。(洋直の事だって1番弄んでいたのだが豊起だった)
豊起が誰よりも被害を大きくして、何の責任も取らずに逃げ仰て、事態が収束した所で何食わぬ顔をして戻って来るのが、あの男なのだ。
絶対に悪い予感しかしない。



