赤が、赭色が、
「ゴホッ…!」
「妃帥ちゃん!」
血液が私に降り注ぐ。
バッと起き上がって妃帥ちゃんの肩を抱えると、
「カズミ!圭三郎を呼べ!」
起きていたらしい獅帥君が、今まで聞いた事の無い大声で叫んだ。
「どうされましたか!」
飛ぶ様に入って来たカズミさんは、私の前に蹲まる妃帥ちゃんを見て慌てて近寄る。
「妃帥お嬢様!声は聞こえていますか!」
声は出ないものの頷く動作が見られ、カズミさんは少しだけほっとした表情になる。
けれど直ぐに険しくなり、
「獅帥様。お二人にとっては不本意だとは思いますが、お嬢様は病院に連れて行きます。もし状態が悪化するなら、先ずは病院に連れて行くように言われていますので」
と、不安が増す様な発言をした。
口から血を吐くなんて尋常じゃないのし、仕方ないけれど…。
チラリと隣の獅帥君を見れば「…分かった」と青白い表情で言った。
「申し訳ありません。直ぐに病院に…手配を…ええーーー…」
獅帥君…。
カズミさんは何処かに電話を掛け始めたが、依然青褪めている獅帥君に、何でもいいから声を掛け様とした。
すると、
「…妃帥ちゃんどうしたの?何処か痛い?」
妃帥ちゃんに手首をギュッと握られた。
握った相手である妃帥ちゃんは、ゴボゴボと血を垂らしながら、何かを訴え掛けて来た。
「ゴホッ…綴」
「妃帥ちゃん分かったから少し横になろう」
「妃帥」
獅帥君にも促されるが、いやいやと首を横に振る。



