過つは彼の性、許すは我の心 弐



「なあに綴?」


 なあに?と言う言葉に注意18禁と言うラベルを貼りたくなった。

 穢れの知らない白い指先が私の唇を辿る。

 動くなよ私…今動いたら本当にカズミさんに撃たれかねない。

 私もビリビリしたら、何も知らずに寝ている獅帥君もビリビリだ。

 獅帥君の死因が、妹に劣情を抱いた同級生を止める為に打たれたスタンガンの巻き添えなんて…あの匡獅さんだってドン引きだろう。

 
「…っあの」

「ん?」

「身体は、大丈夫、なんでしょうか」

「身体?」


 妃帥ちゃんは自分の胸元に手を置く。全ての言動がエロく見えるのは何なんだ。私が邪な思いを抱いているからなのか?


「頗る良いわ」


 熱に浮かされた様に妃帥ちゃんは、頬を赤らめて恋する女の子…好きで堪らない相手に会った時の瞳で私を見つめる。

 その目で見るのやめて欲しい勘違いしちゃう!(大絶叫したい心の底から)


「勘違いじゃないわ」

「え」


 心の声ダダ漏れ?


「口から全て出ているわ…綴ったら可愛い」

「ひゃ」


 指先が私の下唇を押されて変な声が出たが、妃帥ちゃんは気にもせず、


「今日は記念すべき日」


 不可思議な事を言いながら、妃帥ちゃんは自分の手首に付けているあの赤い宝石?のブレスレットを掲げた。


 記念すべき日?誰かの誕生日?とか?