過つは彼の性、許すは我の心 弐



 それに伴って、落ち着かない事も増えた。

 ただ女が傍に寄ると、落ち着かない気持ちも直ぐに消失しているけれど。

 自分でも驚いた事に「一緒に寝るのか」と言ってしまう程この女に、傍に居て欲しいと思っていると言う事なんだろうか。

 分からない。

 この女なら答えてくれるのか。


「妃帥ちゃん…」


 腕の中で片割れの名を呼ぶ。

 片割れの選んだ運命の相手。

 自分達にとって、吉と出るのか凶と出るのかは判断はつかないが。


「はあ…」


 それでも今はこの微睡に任せて寝てしまおう。

 自分はもっとサボるべきだと女が言うから、思考も放棄してしまおう。

 と、女のせいにして、深く抱き締めながら眠りに落ちた。




 束の間の休息とも知らずに。