神秘、神聖さ兼ね備えている男の空気は、指1つ動かさずとも人を圧する力があって、唾を飲み込む。
何を言うのかと思えば、
「一緒に寝るのか?」
「は?」
素っ頓狂な事を言った。
何でそんな話になんねんと獅帥君に視線で訴えれば、
「お前の話だと、」
「…うん」
ゆったりとしている口調に、まだカメラマンなのかお前!と言いたくなったが、雰囲気に呑まれたまま彼の言葉を待った。
「普通男女がベッドで寝るのはセックスするだけじゃないと」
「うんまあ…」
まあた言ったよこの人。
胡乱げな目で獅帥君を見てしまったが「でもね、多くの男女が一緒に寝てたらそう言う事になるとは思うよ」と付け加えた。
「私と獅帥君の間にそう言う気が無いだけで、どっちかにその気があったらあり得ると思うけど…と言うか、獅帥君の方が詳しいでしょうが」
経験は多そうですからねえ。(嫌味)
私の嫌味に少しだけ考えた風の獅帥君は、
「…深くは考えた事はない」
と、サイテー発言で返した。
……いや考えてみれば、獅帥君は基本的に妃帥ちゃんの介入が無ければ、求めれれば答えるが、去るなら負わないスタンスの筈。
女の子もそれありきで獅帥君と寝ている訳だから、獅帥君だけを責めるのは違うよね。
うむむ…身を見切る必要があるか。



