月輪観。
前にお祖父ちゃんが言っていた。
満月を自分の心に浮かべて、自分と宇宙の一体感を養う事で、仏様の知恵に近付くのを目的とする瞑想方法。
文献を調べると、神様と宇宙って色んな所に関わりがあるんだよね。
星座もそうだけれど、神様を惑星に当て嵌められると知った時、月輪観の事を教えて貰って、宇宙ってただでさえロマンが詰まっているのに凄い!って感動した。
大きな世界に自分が存在するって感じると、言葉に言い表し様のない感覚に陥る。
それは決して嫌な感覚じゃない。
時々自分の事が嫌になった時、自分の知らない世界に想いを馳せると、自分の悩みがちっぽけに感じるのだ。
獅帥君にもこう言う感じ分かるかな。
そんな思いで獅帥君に、私が思った事を伝えると、
「…」
案の定余り想像つかないらしい。
そうだなあ。
「…獅帥君達と関わる様になって調べた事があるんだけどさ。海外のとある地域ではクマリと呼ばれる女の子達がいるんだって」
「それが?」
「彼女達は女神様として、その地域では信奉の対象とされるんだけど…この話を聞いてどっかの家の事を思い出さない?」
私の問い掛けに「天條か…」と獅帥君が答える。
そうそう。
「この世界には、逸話を残した一族はたくさーんいる訳だから、獅帥君達だけが別に特別でもないんだよ」



