その時に何故か、私の上に乗っかって謳う様に語っていた妃帥ちゃんを思い出した。 そう言えば、 『ーーー綴の全てを咀嚼出来るならしたい』 とそんな事を言っていた。 でも、そんな。 「綴」 「…どうしたの」 何も言わない代わりに、嫣然と微笑む獅帥君。 普段の獅帥君からは考えられない、圧倒的な艶やかさに時が止まった。 獅帥君はするりと自分の着物の帯を解いて、私に近付く。 唾液で濡れた口唇が開く。 ああ、私。 「ーーー食わせろ」 食べられちゃうんだ。 ガブリと首を噛まれた。