「っ獅帥君」
彼の唇が私の隠れていた跡に辿り着き、軽く舐められた。
夢でも見ているのかと思った。
「ま、って獅帥君」
何か駄目だ、駄目なのに。
獅帥君が自分の指先を私の唇に押し付けて、止める言葉を封じられ、神秘的に煌めくエメラルド様な瞳に射すくめられた。
“ーーー受け入れろ”
言葉は無いのに、視線で語られる。
身体から力が抜けた。
「…だ、」
獅帥君の唇が私の乾いた唇に重なる。最後の発音は獅帥君の口の中に消えて、より深くなる。
「んっ」
今て感じた事のない感覚が身体中を駆け巡り、力の抜け切った身体が後ろに倒れる瞬間、獅帥君が抱える様にベットへと下ろしてくれた。
「んっあ…」
その間も止め処無いキスを受け続け、私の肩から羽織が落とされて、手で握り合わせた胸元を獅帥君が解いてしまう。
「あっ…や、」
「…」
白く長い指先が、中途半端に掛けられた私の身体から服を取り去る。
下着事切られたので、私を覆う服は何も無い。
「見ないで…」
赤く散らばった跡に指先が触れて、ビクンと身体が揺れた。柳眉を寄せて獅帥君は唇を私の肌に触れさせて、
「ひゃっ」
熱を灯す様に吸い付いていく。
更にエクステで長くなった髪がさらさらと肌に触れて、身体が熱ってきた。
「まって、ほんとに」
力の無い弱い声に、獅帥君が顔を上げた。



