過つは彼の性、許すは我の心 弐



 キッパリ言い切られてしまう。

 いつもの私ならもっと強気にクラスメイトと親交を深めろ!とも言うが、かなりのご迷惑をお掛けしているせいで言うに言えない。

 扉に背を預ける獅帥君はイライラしている様な雰囲気もあって、ちょっと怖いし。(鉄将君は事情説明にクラスに帰っちゃった)

 ああ…これから後夜祭もあるのに。

 私って行事ごとに関われない呪いみたいのでもあるのだろうか。

 あとさ。

 
「…獅帥君」

「どうした」

「そろそろその…着替えたくて」


 ビリビリの服のまんまだから出て行って欲しいと言ってみたが。


「…後ろ向く」

「いや気になるんだけど」


 それに色々ホッとした瞬間ーーー…。


「綴?」

「っ…」


 涙が溢れてドレスに落ちて行く。

 また汚しちゃったよ馬鹿。


「どうしたそんなに嫌だったのか」

「ちが、」


 ベッドに腰掛けて俯く私に獅帥君が慌てて近付く。

 羽織を掛けられた肩に優しく手を乗せて獅帥君は、


「じゃあどうしたんだ?」


 ゆっくりと私の顎に手を掛けて顔を上げさせられる。


「綴」


 心配そうに涙を流す私を見つめる獅帥君に、我慢が出来なくなった。


「こんな怖い目に遭うのも、」

「ああ」

「私がこうなっているのも、きっと私が人を大事に出来なかったから、これも罰なのかなって」