過つは彼の性、許すは我の心 弐



「その格好…」


 私の格好を見て絶句している獅帥君に、そう言えば露出狂もビックリな出立ちをしている事を思い出して離れようとしたらーーーフワッと何かを被らされて、


「わ」


 お姫様抱っこされた。

 ギャっと大慌てで彼の首に巻き付けながら、獅帥君が着ていた衣装の羽織を被せてくれている事に気付いた。


「獅帥!唐堂は見つかったか!?ってその人…唐堂おま、」

「鉄将見るな」


 鉄将君から見えない様にギュッと抱き抱えてくれた。涙が出そうだった。


「おいそのクソ女こっちに…アァオオミカ様これはこれは」


 ビクンと私の身体が揺れて、獅帥君が「鉄将」と言ったら目にも止まらない速さで鉄将君が私達の前に立つ。


「シンカンかア」

「お前誰だ?」

「あー俺?帷有墨(とばりありすみ)。ヨロシクゥ〜」


 鉄将君の声にあの不愉快な声が聞こえて身体が震えるが、優しく獅帥君が身体を撫でてくれた。そうだ1人じゃない、私は1人じゃない。


「帷って惣倉の分家か」


 鉄将君の言葉にやっぱりこの人が言う若様ってと確信に至る。


「ウチの若様…喜影がそこの女にご執心でね、よくよく調べたらあの不良品のミケだって聞いたら見たくもなんだろう?」

「…お前らの言う不良品は後ろの奴の妹で、そのミケは俺の許嫁の大事な友達で俺にとってもダチだ。ここで尻尾巻いて逃げるか、俺に八つ裂きにされるか。好きな方を選べ」