過つは彼の性、許すは我の心 弐



 服を掻き合せた私の両手を掴み上げ、頭の上で一纏にすると、私の指先にナイフを近づけた。


 痛烈な痛みが、ナイフが、


「あああぁああ!!?」


 指先と爪の間に血が出る程押し込まれた。
 
 痛いってもんじゃない。

 神経が傷付けれたんじゃないかと言う痛みに、足をバタ付かせるが、男にしっかりと伸し掛かかられて身動きが取れず痛みに悶える。


「あ、ああ…!」

「いてーだろう?指先って身体の中の感覚の中で鋭敏な方で、拷問にも使われんだァ」


 話しながらグリグリと私の指先を弄って愉しそうに笑う男。


「大事な若様を貶すのはこれに懲りたらやめよーなァ唐堂綴」

「あ、あぐ、あ」


 言外にこれ以上若様の事を言ったら、他の指先も傷付けると言われて抵抗する気力を奪わる。身体の力が抜けた。


「ナァ俺にも見せてくれよォ若様とオオミカを骨抜きにしたテクよ」 


 男の舌に付けられたピアスが私の首筋を伝う。


「…っ」


 舌が別の生物の様に這い回る感覚が気持ち悪い。

 ああ…また獅帥君を悲しませてしまう。

 心配も掛けて、私がこんな目に遭わされたと知ったらまた。

 別に獅帥君は悪い事していないのに。

 何で。

 どうして。


「…だ」

「ア?」


 男が私の口元に顔を寄せる。

 押さえつけられているが、精一杯仰け反った。

 怒りが氾濫する。

 何でだ、何で、