過つは彼の性、許すは我の心 弐



 何処まで力が出せるか分からないけれど、


「テメェ…」

「言ってるんだ!!」


 男に靴を投げ付ける。

 男が振り払ったのをキッカケに走り出した。


「クソ女待て!」


 よしキレてる。ルイ君の事は見えていない様で、横を素通りした。


「つーちゃん!」

「渚君達呼んで!!」


 聞こえているか分からないけれど、兎に角スカートを持って走る。

 早々に捕まると思うけれど、今は命懸けでルイ君から引き離すのだけ考えよう。


「啖呵切ったのにどうしたもう疲れたのかァ?」

「っ…!」


 こっちは体調悪いんだよクソ!


 振り返ってそう言ってやりたいが、一瞬の静止は命取りだ。


「はあっ…はあっ…はあっ…!」


 先程のトイレを通過した辺りで息切れが凄く、遂に。


「ぎゃ!」


 首根っこを掴まれて人気無い空き教室に投げ込まれた。


「辛そうだなァ…可哀想にィ」


 憐れむ様な目で男に見下ろされる。怒る余裕がない私は座りながら後ろへと下がるしかなかった。


「そんだけマーキングされて、気に入られてるって事はアレかテクがいいのかァ?」

「…」


 スカートの裾を男に踏まれて、下がれない。


「うっ…!」


 胸倉を掴まれて、思いっきり背後に叩き付けられた。

 先程切られた服の先からナイフを食い込ませてきた。また痛みが走って眉を顰める。

 服を開けさせられ、素肌が男に晒される。


「やめ…!」

「あーうっせェ」