「激しいじゃん」
「っ…!」
三白眼を歪ませて愉しむ男に、私の見られたくない喜影君に傷付けられた跡を見られて泣きたくなる。
「つーちゃんを離せ!」
「ルイ君!」
タックルを男にしようとするルイ君。
けれど男は私を引き寄せてヒョイっと交わし、
「っ…!」
ナイフをルイ君の背にーーー…。
もう無我夢中だった。
「あ?」
攻撃された事により、廊下に乱暴に投げ出された。
「つーちゃん大丈夫!?」
「平気」
近付いて来たルイ君にそれだけ言って、ヒールの高い靴を脱いだ。
「…」
男は私の頭を飾っていた花のピンを手に取って見つめる。
刺した。私が。
瞼より少し上の所に深々と突き刺されたのを抜いて「あは、」と溢す。
そして、
「ハハハハハ!!アンタ!最高だよ!」
高笑いが響き、ルイ君が驚愕の表情で騒音の元を見る。
左の瞼の上から血の流れ出る男は気が狂った様に笑っている。
「ルイ君はここに居て」
「え?」
小声でルイ君に伝える。頭は冷静だ。
「急に現れて力のない人相手に、暴力で脅して悦に浸る奴と知り合いなんていないーーー…どうせアンタの若様もろくでもない奴なんでしょ」
「はあ…?」
ピタリと笑い声が止まる。ああなるほど。
ギュッと靴を握った。
「こんな白昼堂々何処に人目もあるか分からない所でこんな事しているアンタをのさばらしているその若様って大した事ないって、」



